とある大学生の随想録

本州最西端の地からエキュメノポリスへ

芥川龍之介

今月の末に東京へ発つ僕は今引越しの準備や部屋の片付けで忙しい。何よりも手間がかかるのは本だ。二、三百冊はあるのではないか。

 

今日も本棚の整理をした。そこで、奥の方にほかの文庫本に比べてひと回り大きい本を見つけた。それがこの本、芥川龍之介の傑作集だ。
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今では専ら外国古典文学しか読んでいない僕だが、思えば初めて触れた純文学の作品は彼の短篇であった。

当時のことはあまり覚えていないが、とにかく本の好きな父親が僕に買い与えたのだろう。

ご覧の通り表紙の絵が少し気味悪い。渋々読み始めたことはよく覚えている。そしてすぐにのめり込んでしまったことも。

芥川龍之介といえば短編作家だ。短篇であるから、飽き性の僕でも途中で投げ出すことなく読み切ることが出来た。
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有名なお話ばかり。まだ幼かった僕は大衆文学との違いに気づくことなく、ただただ面白がって読んでいた。

 

しかし最近になって、不意に例えば『トロッコ』の断片的な記憶が蘇り、胸苦しさを感じることが増えてきた。

何故かしら過去に読んだ作品の記憶が根づいていたのだ。大衆文学と純文学はどちらも面白いが、この点で少し違うのかもしれない。